昭和を代表する作曲家、古関裕而。

自伝は昭和55年(1980年)5月に発行されました。

 

この本は図書館から借りました。

年季を感じますね・・・

主婦の友社から発売された本のカバーには

直筆の絵があります。

本を開くと、ここにも直筆の絵が!

どちらも味がありますね。

 

現在は、集英社文庫から出版されていて

文庫本なので値段もお手頃です。

 

自伝に書かれている内容は?

 

本の内容は、ざっくり言うと以下の3つ。

 

・幼少期から二十歳までの思い出

・作曲した曲にまつわるエピソード

・劇作家菊田一夫との思い出 

 

曲にまつわるエピソードは、

本の8割を占めるほどボリュームがあります。

 

山田耕作、北原白秋、藤山一郎など

いろんな方との出会いの話は興味深いものがあります。

 

一方、家族や友人、奥さまとのお話は

あまり書かれておらず

個人的にはちょっと物足りなく感じてしまいます。

 

が。

あとがきを読むと、奥さまへの思いを感じる部分があり

少し切なくなる思いがします。

 

自伝の発行は昭和五十五年五月、

あとがきは四月に書かれています。

 

そして、その年の七月に奥さまは旅立っています。

 

息子さんの話によると、

(古関の妻の)最後の入院(癌センター)は、1、2か月とのこと。

あとがきを書いた時期や本の発行時期は

奥さまの最後の入院と前後することになります。

 

古関が、「数年前から書き残しておきたいと思った」のも

妻が、亡くなる4年ほど前にガンに気づいたことと

何か重なるような気がします。

 

妻の助言と浄書を頼りに、思い起こすままに筆を進めていた。  

 (中略)

今読み返してみると、忘れてしまったことや書き残したことが随分ある。

作曲ばかりを夢中でやっていたひとりの男の五十余年間を、

思い出すのままに書き並べたにすぎない。

           古関裕而 自伝 「鐘よ 鳴り響け」あとがきより

自伝は、古関が思いのままに書き綴ったもので

音楽への熱い思いがぎっしり詰まっています。

 

自伝「鐘よ 鳴り響け」の目次

 

以下に、自伝の目次をご紹介します。

和暦・西暦・年齢は、自伝を読みながら私が付け加えました。

作曲した年や発売年などと若干ズレがあるかもしれませんが

ご了承ください。

 

出会い

・少年のころ

・作曲と編曲の日々

・喜び——- 山田耕筰先生との出会い——

・上京へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和 5年(1930年)/ 21歳

 

一歩目の記

・第一回発売レコード–「福島行進曲」と「福島夜曲」–・・・・昭和 6年(1931年)/ 22歳

・早稲田大学応援歌「紺碧の空」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・同上

・北原白秋と「平右ェ門(ヘイネモ)」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・同上

・山田耕筰先生の温情・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・同上

・「日米野球行進曲」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・同上

・「肉弾三勇士の歌」の前後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和 7年(1932年)/ 23歳

・「利根の舟唄」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和 9年(1934年)/ 25歳

・「船頭可愛や」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和10年(1935年)/ 26歳

 

万感を胸に

・「露営の歌」とその反響・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和12年(1937年)/ 28歳

・「愛国の花」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・同上(発売は昭和13年)

・菊田一夫さんとの出会い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・同上

・中支従軍記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和13年(1938年)/ 29歳

・「暁に祈る」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和15年(1940年)/ 31歳

・「海の進軍」と「英国東洋艦隊潰滅」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和16年(1941年)/ 32歳

・南方慰問団旅行記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和17年(1942年)/ 33歳

・「若鷲の歌」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和18年(1943年)/ 34歳

・「海を征く歌」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・同上

・「ラバウル海軍航空隊」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和19年(1944年)/ 35歳

・インパール作戦従軍記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・同上

・幻の、いやな歌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・同上

・応召と終戦前後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和20年(1945年)/ 36歳

 

鐘よ なお鳴り響け

・連続ラジオ・ドラマ「山から来た男」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和20年(1945年)/ 36歳

・「白鳥の歌」と「夢淡き東京」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和22年(1947年)/ 38歳

・「雨のオランダ坂」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・同上

・連続ラジオ・ドラマ「鐘の鳴る丘」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・同上

・「フランチェスカの鐘」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和23年(1948年)/ 39歳

・「長崎の鐘」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和24年(1949年)/ 40歳

・ラジオ漫画「西遊記」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和25年(1950年)/ 41歳

・連続ラジオ・ドラマ「さくらんぼ大将」・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和26年(1951年)/ 42歳

・全国高等学校野球大会の歌「栄冠は君に輝く」・・・・・・・・・・・昭和24年(1949年)/ 40歳

・創作オペラ「朱金昭(チュウチンチョウ)」「トウランドット」「チガニの星」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和24~25年(1949~1950年)/ 40~41歳

・「イヨマンテの夜」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和25年(1950年)/ 41歳

・昭和二十六、七年の作曲より・・・・・・・・・・・昭和26~27年(1951~1952年)/ 42~43歳

・連続ラジオ・ドラマ「君の名は」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和27年(1952年)/ 43歳

・東映「ひめゆりの塔」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和28年(1953年)/ 44歳

・NHK 放送文化賞受賞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・同上

・三越ホーム・ソング—-岩瀬社長が生みの親—-・・・・・・・・・・・同上

・連続ラジオ・ドラマ「由紀子」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和29年(1954年)/ 45歳

 

舞台は回る

・東宝ミュージカル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和30~39年(1955~1964年)/ 46歳~55歳

・芸術座公演—-菊田氏念願の花開く—- ・・昭和32~48年(1957~1973年)/ 48歳~64歳

・菊田一夫氏との対談「告白もまた楽し」・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和30年(1955年)/ 46歳

 

一筋の道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昭和48年(1973年)/64歳、昭和55年(1980年)/ 71歳

 

古関裕而略年譜

 

古関裕而作品リスト(抄)

 

あとがき

 

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